産後、いつ生理が再開するのか、次の妊娠について考えている方には特に気になるところでしょう。
そうでなくても、生理には備えておかないといけないし、前兆があれば心の準備もできますよね。
そこで、産後の生理再開の前兆はどんなものがあるのか、まとめてみました。
生理再開の平均は
産後の生理再開までの平均期間は全体で14.6ヶ月ですが、ばらつきが大きく個人差があります。
再開までの期間は、赤ちゃんに母乳を与えている量で変わってきます。
赤ちゃんに母乳を与えている量が多いほど、生理再開が遅くなる傾向があるのです。これは、プロラクチンというホルモンの働きによります。
母乳を与えていると脳下垂体から分泌されるホルモンで、排卵を抑える作用があります。
母乳を与えれば与えるほどプロラクチンが分泌されるため、離乳食が始まり授乳の回数が減るタイミングである、産後約8か月で生理が再開する方が多いようです。また、断乳をすると3ヶ月以内に約8割の方で生理が再開します。
しかし、完全母乳育児でも産後1ヵ月で生理が再開することもあり、生理再開までの期間は母乳を与える量だけで決まるわけではありません。
例えば昔と比べて栄養摂取状況が良くなっているため、生理再開が早くなっているという一面もあるようです。
生理再開の前兆
産後の生理再開、はっきりと前兆があれば準備もできますよね。
ところが、産後初めての生理は、兆候に気づくことが難しくなっています。それは、産後は様々な体と心の変化があるからです。
しかも育児であわただしい中、産前のように前兆をはっきり感じ取ることは、なかなかできないでしょう。多くの方が、再開後に思い返して「あれが前兆だったのかな?」と気づくようです。
また、出産後初めての生理の場合、無排卵のケースもあります。その場合は、前兆なく再開するので驚く方が多いですよ。
腹痛など、身体の変化
生理再開の前兆として、腹痛や腰の痛みを感じることがあります。それは、プロスタグランジンというホルモンの作用です。
生理が再開すると体内で合成されるプロスタグランジンは、痛み物質であると同時に強い子宮収縮作用があります。
そのため、下腹部や腰に痛みを感じるのです。また、出産後は骨盤が大きく開いており、子宮の位置がまだ元の位置に完全に戻っていません。
このことも、生理再開の前兆としての腹痛が強くでてしまう原因となります。
このほか身体の変化としては、頭痛や手足の冷え、だるいなどの倦怠感、下痢、吐き気などがあります。
茶おり、出血など
生理再開の前兆として茶おりものがでる場合もあります。
茶おりは、生理再開前に子宮内で出血が少しでて、それがおりものとして分泌されてしまったものです。前兆としての茶おりなら一回、少量で、その後にすぐ生理が来ます。
不正出血が起きることもあります。こちらも再開の前兆の出血であれば、一回、少量です。
心の変化
急に悲しくなって泣いてしまう、無気力になる、ぼーっとする、イライラするなど心の変化を感じる方もいます。
しかし、産後はホルモンバランスの影響や育児のストレスで、気分は不安定になりがちです。生理再開の前兆としての心の変化には、気づくのは難しいかもしれません。
家族にサポートしてもらったり、気分転換をしたり、気持ちを落ち着かせることも大切にしてくださいね。
食の変化
やたらに空腹感があったり、甘いものが食べたくなったりという食の変化を感じる方もいます。
甘いものは、母乳の質に影響することがあります。無理に我慢することはありませんが、食べ過ぎないようにしてくださいね。
生理の前兆であれば、このような食の変化も一時的なものです。
受診の目安
気を付けておきたいポイントは、茶おりや不正出血です。
茶おりの場合、腐ったような異常な臭いがする、1週間近く継続する、腹痛を伴うという場合は子宮筋腫や子宮頸管ポリープといった病気が潜んでいる可能性があります。
不正出血の場合、生理が再開していないのに不正出血が1週間近く続くといった症状や、激しい腹痛などが伴う、単発で不正出血が何回も続く、という状態は子宮に病気が隠れている可能性があります。
また、鮮血の場合は、出産で傷ついた子宮や膣が完治しておらず、出血し続けてしまっているのかもしれません。
いずれの場合も、早めに産婦人科を受診しましょう。生理なのか、不正出血が続いているのかは見分けるのが難しいですが、1週間以上出血が続くようなら受診をお勧めします。
最後に
いかがでしたか?産後の生理は産前と変化することもあり、前兆に気づくのは難しいかもしれません。
授乳の状況から、いつ頃再開しそうか予測を立てたり、いつ再開してもいいよう外出時などの持ち物に注意しておくといいですね。