揺さぶられ症候群をご存知ですか?最近メディアでよく取り上げられていますね。
では、揺さぶられ症候群の症状とはどのようなものなのでしょう。どのくらい揺さぶられたら揺さぶられ症候群になるのでしょう。
車やバスンサーでの揺れでは、揺さぶられ症候群になって後遺症が残ってしまうのでしょうか。
今回は、揺さぶられ症候群の症状や車の振動やバウンサーでなってしまうのか、後遺症はどんなものか調べてみましょう。
揺さぶられ症候群とは??
乳幼児揺さぶられ症候群とは、赤ちゃんが激しく揺さぶられる事によって脳内が傷ついてしまう状態、またそれによって重大な障害が残る状態を指します。
Shaken Baby Syndrome (SBS)とも呼ばれます。
揺さぶられっこ症候群とも言われていたり、乳幼児揺さぶられ症候群とも言われています。
揺さぶられ症候群の原因は…?
赤ちゃんは頭が重く、首の筋肉が発達していないため、激しい揺れで脳が衝撃を受けやすい状態にあります。
また、新生児の脳の大きさは大人の1/3ほどの大きさで、この大きさから赤ちゃんの脳は成長に伴いどんどん大きくなっていきます。
この脳の発達に備えて、頭蓋骨と脳の間にはあるていどの隙間があります。つまり、赤ちゃんの頭の中は、頭蓋骨の中に脳が浮いているような状態です。
ですから、激しく揺さぶられると頭蓋骨の内側に何度も脳が打ち付けられて、脳の血管や神経に損傷がおきてしまうのです。
特に首がすわるといわれている生後4ヶ月頃までは、首で頭を支える事が出来ないので、揺さぶりに頭がそのまま持って行かれてしまい、乳幼児揺さぶられ症候群のリスクが高くなるといわれています。
揺さぶられ症候群の症状は…?
赤ちゃんが激しい揺さぶりを受けると、脳細胞が破壊され、脳の中が低酸素状態になります。
揺さぶりを受けた直後の赤ちゃんが以下のような症状を見せた場合、乳幼児揺さぶられ症候群の可能性があります。
○元気がなくなる
○機嫌が悪くなる
○傾眠傾向(すぐに眠ってしまう状態)
○嘔吐
○けいれん
○意識困難
○昏睡(強く刺激しても目を覚まさない状態)
その他、最悪は死に至るケースもあります。
このような症状が現れた場合は、すみやかにかかりつけの小児科、脳外科、救急救命センターへ子どもを連れて行きましょう。
また、命が助かった場合でも、以下のような症状や後遺症を起こしてしまう事もあります。
○脳の周りの出血(硬膜下血腫、クモ膜下出血など)や脳の中の出血
○失明、視力障害
○言葉の遅れ、学習の障害
○後遺症としてのけいれん発作
○脳損害、知的障害
○脳性麻痺
乳幼児期という脳の発達においてとても重要な時期に、乳幼児揺さぶられ症候群で脳内が傷ついてしまうと、身体機能や精神機能や学習機能等さまざまなところに影響が出てしまう事があります。
揺さぶられ症候群が起こる経緯
赤ちゃんを揺さぶってしまった原因として多いものは「育児ストレス」です。
ママだけでなく、パパやおじいちゃん、おばあちゃんなど、子どもの周りにいる大人が子どもの事でイライラしたり、腹を立てたりする時に激しく揺さぶってしまうようです。
特に子どもが泣き止まない時にあやすつもりが「どうして泣き止まないの?」というストレスと相まって、激しく揺さぶってしまった…というケースが過去の事例で多くあげられています。
また、赤ちゃんをあやす力加減がわからない、突然ママから赤ちゃんを見る事を頼まれて戸惑うパパが起こしてしまう事も多いと言われています。
どのくらい揺さぶられたらなるのか
どのくらい激しい揺さぶられで赤ちゃんは乳幼児揺さぶられ症候群になってしまうのでしょう。
○1秒間に2~3往復以上の揺さぶり、さらにそれを5~10秒続ける
と、乳幼児揺さぶられ症候群は起こると考えられています。
これは、周りから見ると、誰もが子どもの安全を危ぶむ程のかなり激しい揺れです。
基本的には、常識的な範囲で赤ちゃんと接していれば問題ありません。高い高いやバウンサー、車で少し強めに揺れてしまったと思っても、揺さぶられ症候群になることはありません。
ただし、長時間のドライブは赤ちゃんには負担になりますから、1~2時間に一回程度休憩をとり、チャイルドシートから下ろしてあげる事が重要です。
乳幼児揺さぶられ症候群の予防
赤ちゃんをあやすときは、しっかりと頭を支えてあげる事、無理に頭を揺らすような状況を避ける事が大切です。
それほど力を入れたつもりは無くても、首がすわっていない赤ちゃんには強い揺れを感じさせてしまう事もあります。首をしっかりと支え、ガクガクと首を揺らさないようにしましょう。
特に揺さぶられ症候群が起こる場面で多いのは、赤ちゃんが泣き止まずにママやパパがイライラしてしまったときです。「泣いている理由が分からない」といったイライラにストレスを感じてしまい、思わず赤ちゃんの肩を持って…赤ちゃんが泣き止まない原因は様々です。色々試してみましょう。
母乳やミルクをあげたり、オムツを替えたり、抱っこしたり、汗を拭いてあげたり、赤ちゃんが不快に思う可能性があることを一つずつ試してみましょう。
赤ちゃんはお腹にいた時の頃を思い出すと、リラックスして自然と泣き止むと言われています。
おくるみで包んであげたり、妊娠中のお腹の中の音に近いテレビの砂嵐の「ざー」という音を聞かせたり、水が流れる音も赤ちゃんの泣き止みに効果的と言われています。
それでも泣き止まずにイライラして来たら、まずは一度その場を離れましょう。
パパや母親に任せるか、赤ちゃんをベビーベッド等の安全な場所に移動させて、深呼吸したり、家事をしたりして落ち着いてから、赤ちゃんの様子を見てあげましょう。
ストレスのコントロールは、子育てには特に重要です。生後1ヶ月を過ぎていたら、数分でも赤ちゃんに外の空気を吸わせてあげると、泣き止む事がありますよ。
まとめ
赤ちゃんと普通に接していて、乳幼児揺さぶられ症候群が起きてしまうのはほとんどありません。ほとんどの家庭では心配しすぎることはありません。
おそらくこの記事を読んで下さっているあなたは心配して調べるくらいの子育てをされているですので、過度の揺さぶりはされていないと思います。
でも、ママもパパも人間なので、赤ちゃんが泣き止んでくれない時などでイライラしてしまい、強く当たってしまう事が、絶対に無いとは言い切れません。
パパが忙しく、ママが1人で育児をしている場合は特に余裕がなくなりますよね。そんなときは、児童館や保健センターなどに行ってみるといいですよ。
育児のプロである保健師さんが対応してくれます。揺さぶられ症候群の情報は母子健康手帳に記載されている事が多いです。
なかなか人に言えないことを吐き出すことで、気持ちが本当に楽になるものです。
赤ちゃんを悲しい事故から守るために、家族みんなで気をつけましょう。