濃厚でクリーミーな「牡蠣」。
フライや生食などいろいろな料理で楽しめる牡蠣ですが、「あたる」こともあります。牡蠣にあたるとどんな症状が出るのか、軽い場合や時間・期間、治療法をまとめました。
牡蠣を食べるときは十分に注意し、あたってしまったときは適切な治療を受けましょう。
牡蠣にあたるとどんな症状がある?
牡蠣があたる原因はいくつかあり、症状も異なります。原因別に、症状をまとめてみます。
ノロウイルス
牡蠣にあたったという場合、一番多い原因がノロウィルスです。
潜伏期間は1日から2日で、腹部の痛み・不快感の後、嘔吐・下痢の症状が出ます。
ノロウイルスは、感染者の便や、吐いたものから感染することがあります。数日間これらの中にウィルスが存在している可能性がありますので注意が必要です。
ノロウイルスは、あまり食中毒のイメージがない冬の期間に発生する傾向があります。
牡蠣でノロウイルスに感染しないためには、十分な加熱をすることです。ノロウイルスは熱に弱いので、85度以上で1分間以上加熱しましょう。また、調理するときに手洗いをしっかりすることも大事です。
腸炎ビブリオ
牡蠣にあたる原因の一つ腸炎ビブリオは、塩分のあるところで増える菌です。
食後5~24時間ほどで発症し、激しい腹痛や下痢、発熱、吐き気を引き起こします。
ノロウイルスと違い人から人に移ることはありませんが、牡蠣を置いたまな板などから間接的に感染することがありますので気を付けましょう。
腸炎ビブリオによる食中毒は、7~8月に多くなります。真水や熱に弱い特徴がありますので、牡蠣は流水でよく洗い、十分に加熱をしましょう。生食する場合は4度以下での保存が必要です。
貝毒
牡蠣自身には毒素を作り出す能力はないのですが、エサとしているプランクトンに有毒なものが含まれている場合があります。
有毒なプランクトンが体内にある牡蠣を食べることで発症するのが貝毒です。プランクトンの種類によって潜伏期間と症状は様々で、食後30分で発症することも。
腹痛や下痢、体のしびれなどが起きます。神経系の毒では、致死量以上の摂取で死亡例もあります。
貝毒は加熱によって毒性がほとんど失われません。感染を完全に防ぐのは難しいですが、症状を重くしないためには牡蠣を食べ過ぎないことです。
アレルギー
牡蠣アレルギーは、トロポミオシンという成分が原因です。
早ければ食後1~2時間、あるいは5~12時間で、喉のかゆみ、じんましん・発疹、下痢・腹痛・嘔吐の症状が現れます。
血圧低下や意識障害、呼吸困難などといった重篤な症状を引き起こすこともあります。
牡蠣のアレルギー原因物質は加熱によって失われません。ちゃんと火を通した牡蠣を食べて症状が出た場合や、牡蠣を含む食品(オイスターソースなど)を食べて症状が出た場合はアレルギーの可能性が高いです。
軽い場合の対処方法、期間や治療法は?
ノロウイルス、腸炎ビブリオによる食中毒には潜伏期間が1~2日あり、多くの場合は症状が出て3日ほどで回復します。
嘔吐・下痢の症状が出ることが多いですが、下痢止めなどの薬をすぐに飲むのはお勧めできません。
嘔吐や下痢は体が有害なものを外に出そうとしている反応ですので、すべて出し切ってしまうつもりでいましょう。
その際、水分補給を忘れずに!嘔吐・下痢では多くの水分が体から失われます。出た分を補給しないと、脱水症状を引き起こしてしまう可能性があります。
酷い症状が落ち着いたころを見計らって、病院(内科)を受診します。正確な診断のため、いつから、どんな症状が出たかを記録しておくといいですよ。思い当たる食材などもあれば、あわせて伝えましょう。
症状によっては、病院で点滴治療が行われることもあります。
下痢や嘔吐が治まってきたら、おかゆなどの消化の良いもので栄養補給をしましょう。脂っこいものや消化の悪いものはしばらく避けてくださいね。
まとめ
牡蠣にあたった場合に出る症状は原因によって違いますが、多くの場合は食後1~2日経ってから症状が現れます。
嘔吐・下痢が引き起こされることが多く、3日ほど続きます。症状が出ている期間は下痢止めなどは使わず、水分補給を忘れないようにしましょう。
症状が重い場合は、緊急で病院を受診してくださいね。
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