右利き、左利きはいつから決まるのでしょうか?
右利きの人の方が圧倒的に多いこともあり、赤ちゃんの利き手がどちらなのか気にしている方もいると思います。
利き手はいつから決まるのか、指しゃぶりの手などが利き手の決定に関係するのかをまとめました。赤ちゃんの成長過程と手の使い方もご紹介します。
利き手はいつから決まる?
現在一般的には、「幼児期は利き手が一定ではなく、両手が使われたり、利き手が交代したりする過程を経て、4歳頃に固定される」とされています。
4歳ごろに、以下のような場面で自発的に出す方の手が利き手である可能性が高いということになります。
- おもちゃなど、興味のあるものをつかもうとするとき
- 食べ物など、差し出されたものを受け取とるとき
- スプーンやフォークを使うとき
- 転びそうになり、とっさに手を出すとき
- ボールを投げるとき
4歳ごろになったら、特にこのような場面で子供の様子をよく見てみましょう。大体の場合は、それで利き手がわかるはずです。
赤ちゃんと手の関係
~3カ月
「ハンドリガード」という言葉を知っていますか?
「手をじっと見る」という意味で、言葉通り、赤ちゃんが自分の手をじっと眺める様子を言います。ハンドリガードは早ければ生後2か月ごろに始まり、両手を合わせたり、舐めるという行動がみられることもあります。
赤ちゃんはハンドリガードを通して、「手」が自分のものであり、自分の意志で動かせることを発見するのです。
このハンドリガード、眺めているのがいつも同じ側の手、という話が多く、ハンドリガードをしている手が利き手なのでは?と考える方もいるようですが、これについては科学的な根拠はありません。
~5カ月
このころの赤ちゃんは、近くにあるおもちゃなどをつかもうとします。この時は欲しいものの近くにある方の手で取ることが多く、このころの様子で利き手がどちらか決まることはないようです。
~1歳
1歳前後から、赤ちゃんはおもちゃを右手や左手で持ったり、左右で持ち替えたりするようになります。使う手がどちらか一方に偏ることが多いのですが、この時点ではまだ利き手は決まっていません。
このころには指差しも始めますが、指差しをする手が利き手というわけでもないようです。
また、指しゃぶりと利き手の関係ですが、これも一概に「指しゃぶりの手=利き手」とは言えないようですね。
~2歳
2歳ごろになると、赤ちゃんは絵を描いたり、スプーンを使ったりするようになります。
その際に左右どちらかの手を多く使うようになるため、この時点で「利き手はこっち!」と思ってしまいがちですが、実は2歳ごろでも利き手はまだ決まっていません。
右利きの相手と向かい合って真似をすると、反転して左手を使うことになるため、左手を使うこともよくあるのです。
~3歳
3歳ごろには手先も器用になり、再び両手をまんべんなく使うようになります。
このころから4歳ころにかけて、だんだんと利き手が固定されていくことになります。
ホルモン?遺伝?利き手はどう決まる?
さて、赤ちゃんの利き手を決めるのは一体「なに」なのか?とても興味深いところだと思います。
まず、利き手の決定には大脳が関係していると考えられています。
大脳は左右に分かれていて、左脳は言語や数字などを司るため「言語脳」、右脳は直感や音楽などを司るため「芸術脳」と呼ばれることも。
ただし、実際はこれほど左右の脳で役割がはっきり分かれているわけではなく、右利きの人と左利きの人の得意分野との関係も、科学的な根拠はありません。
その他、あるホルモンが大量に分泌されると脳の発達に影響し、利き手を決める要因になるとか、家族に左利きの人がいると子供が左利きになる確率が高い、など利き手に関する様々な報告があります。
どれも面白い話ですが、結局のところ利き手がどう決まるのかは今でもはっきりとはわかっていません。
まとめ
子供の利き手は4歳ごろに決まります。それまでは、赤ちゃんの手の使い方に、利き手はあまり関係ありません。
赤ちゃんは両方の手を使うことで、手の役割を学んでゆきます。一方の手ばかり使わせたり矯正しようとせずに、自由に手を使わせてあげてくださいね。