子育てをしているとうちの子は他の子に比べてできないことや、できるのが遅かったり、言葉がでなかったりと、たくさんの心配事があります。
「発達障害」という言葉のイメージだけで、不安になっていませんか?
私もそんな時期がありました。発達障害について、いつわかるのか、特徴や成長の目安など、基本的なところをまとめました。
発達障害を正しく理解する、足掛かりになればと思います。
発達障害とは
発達障害とは、脳機能の発達の偏りによって、生活するうえで様々な困難が生じてしまう状態の総称です。
現在、通常学級に通う小中学生の6.5%は、何らかの発達障害を抱えているとされています。
発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)などに分類されます。
これらは子どもが生まれてすぐに診断されることはなく、成長していく過程の中で発見されますが、行動上の特徴は赤ちゃんのうちから現れることもあります。
赤ちゃんの発達障害はいつわかる?特徴・成長の目安は?
種類や特徴の現れ方などによって、発達障害とわかる時期は異なります。
自閉症・アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)
長く「自閉症」「アスペルガー症候群」と分けられていたものは、現在では「自閉症スペクトラム」と統一されるようになってきました。いずれも赤ちゃんのうちからその傾向が現れますが、特徴には少し違いがあります。
共通する特徴としては、
- 声をかけても目を合わせない
- あやしても笑わない
- おなかが空いたり、おむつが濡れたりしたことを泣いて訴えることが少ない
- 触られるのをいやがる
- 指差しをしない
- 名前を呼んでも振り返らない
などがあります。
その他自閉症の場合は、言葉の遅れや約8割に知的障害を伴います。約2割の知的な遅れを伴わないケースは、「高機能自閉症」と呼ばれることもあります。
アスペルガー症候群の場合、言葉の遅れや知的な遅れはなく、言葉の意味をそのままとらえたり、相手の表情から気持ちを読み取ることが苦手という特徴があります。
多くは幼稚園・保育園の年長クラスに入る頃になって、周りに関心を示さない、こだわりが強いなどの症状から気づかれます。
学力が高い場合もあるので、大学生や社会人など、複雑なコミュニケーションが求められるようになって、初めて障害に気づかれるケースもあるようです。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
注意力不足、落ち着きのなさ、衝動がコントロールできないなどの困難を抱える発達障害です。幼児期から、じっとしていることができず動き回る、危険な場所などでも大人の制止を聞かず走り出すなどの特徴がみられます。
その他、
- 忘れっぽい
- 集中が持続しない落ち着きがない(じっと座っていられない)
- 順番を待つことが苦手
などの特徴があります。
ただしこのような行動は、幼児期にはしばしば見られるものです。
そのため子供が小さいうちの診断は難しく、保育園や幼稚園、小学校で集団生活を送るようになってから、周囲と異なる行動から先生が気づくことが多いようです。
LD(学習障害)
知的発達に遅れがないのに、文字の読み・書き、計算など特定の分野が極端に苦手で、努力しているのになかなか習得できないという発達障害です。
約8割が、読み・書きに困難を抱えています。
LDがわかる時期の目安は、小学校に入学して学習活動が始まってからです。
軽度の場合は、就学後すぐには気づかれないこともあります。学年が上がって複雑な計算、画数の多い漢字が増えてから、あるいは英語の授業が始まるようになってからわかるケースもあります。
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うちの子は大丈夫?と気になるときは
発達障害の診断は、小児神経科や児童精神科の専門医が行いますが、赤ちゃんのうちは、はっきりと断定できない場合がほとんどです。
赤ちゃんの行動で気になることがある場合は、まずかかりつけの小児科医、保育園の先生、地域の保健センターや子育て支援センターに話をしてみるとよいでしょう。
最近は発達障害の知識のある保育士、相談員も増えており、適切な支援機関の紹介などのアドバイスをしてもらえます。4カ月検診など地域で見てもらえるところで、いろいろなチェックをしてもらえます。少し気になるところがあれば、経過を見るという形でまた見てもらうことになる場合があります。
発達障害に対しては、脳の機能を変えることはできなくても、本人が抱える困難さを軽減し、社会に参加できるように支援する「療育」を行うことが非常に重要です。
適切な療育を行うことで、本人は「こんなときはこうすればいい」という方法を理解し、少しずつ適切な行動を取れるようになります。
そして社会への適応能力が高まり、安定した生活を送れるようになるのです。
おわりに
発達障害は薬や手術で治せるものではなく、「障害」「病気」というよりも、「個性」「性格」に近いと言えるでしょう。
赤ちゃんのうちの診断は難しいですが、気になることがあったら、身近な先生や地域の職員に相談してみてくださいね。最初はあまり気にしすぎないことです。
私の知り合いの男の子もなかなか言葉がでないで、年少の時に幼稚園の先生から少し指摘があったようですが、今現在何事も言葉を喋ています。